パワハラ上司にブチ切れたヒロインの今後が気になる|残念ながら明日も出勤です!
書いた人:志野
ソ・イングクくん主演のお仕事ドラマ、『残念ながら明日も出勤です!』を見ています。
放送済みの4話まで視聴しました。
ソ・イングクくんは、前作の『マンスリー彼氏』でも、ちょっとぶっきらぼうな職場の男子を演じていましたが、今のところ今回のキャラクターも少し似ている気がしています。
でも、いいんです。
素敵男子のオフィスラブコメは、何パターンでも無限に見たいので!
今回このドラマを見ていて、ちょっと引っかかったのは、上司のパワハラ言動がかなりあからさまに描かれているところでした。
私の感覚では、現実でこんなにあからさまなハラスメントをしたら、すぐに通報されてしまうのでは……と思うのですが。
もちろん、ドラマだからわかりやすくデフォルメされているのかもしれませんし、日韓の労働環境の違いもあるのかもしれません。
それに、私の経験なんてサンプル数1の話なので、現実のパワハラ全体を語れるわけではありません。
ただ、少なくとも私が経験したパワハラは、こんなにわかりやすいものではありませんでした。
私自身、10年ほど前のことですが、職場にパワハラをする人がいて、とても悩んでいた時期がありました。
当時の私は、子育てのブランクを経て、久しぶりに社会復帰して間もないころでした。派遣社員として、とある職場に配属されたのですが、そこで直属の指導係だった人が、なかなか厄介な人でした。
その人は、証拠になるようなことを一切残さずに、こちらを追い詰めてくるんです。
傍から見れば「指導」に見えるように、かなり巧妙にやる。
周りももちろん「何かおかしい」と気づいてはいるのですが、「もしかしたら指導の範囲かも?」と思う余地があると、なかなか介入しにくいのだと思います。証拠がないと言われたら、それまでなので。
その人の上司もまた微妙でした。
メンタルを壊して辞める人が続いていた時点で、きちんと対処しないとまずいはずなのに、見て見ぬふりをしていました。
私の見立てでは、その人は仕事で必要な情報を共有せず、自分にしかわからないように抱え込むことで、職場内での存在感を高めていたのだと思います。だから、その人の機嫌を損ねると部署が回らない。上司といえど、下手に介入できなかったのかもしれません。
それって、要は上司としてどうなの……とは思いますが。
そんなわけで、私はしばらく我慢して仕事をしていました。
でも、ある日、プツンと糸が切れました。
あり得ないくらい無茶な納期で詰め寄られ、思わず言い返してしまったのです。
「はぁ? 頭大丈夫ですか?」
……と。
今思い返しても、なかなか強いことを言ったなとは思います。
でも、不思議と後悔はありませんでした。
よくやった、自分。
舐められてたまるか。
そんな気持ちでした。
すると、その人は目に見えて狼狽えていました。
まさか私が言い返すとは思っていなかったのでしょう。
その顔を見た瞬間、私は怒りがさらに燃え上がるというより、少し可笑しくなってしまいました。
もちろん、その人にされてきたことは本当に不快でした。
でも同時に、どこかで「この人は、自分より弱い立場の人を追い詰めることでしか自分を保てない人なんだな」と、引いて見ていた部分もありました。
だから、その狼狽えた顔を見たとき、腹が立つというより、なんだか滑稽に見えてしまったのです。
ここで本格的に一戦交えるのは不毛ですし、仕事の場としてもプロフェッショナルではないと思ったので、私はすぐに仕事モードに戻しました。
細かいやりとりは忘れてしまいましたが、たぶん「わかりました」的なことを言って、事務連絡をして、その場は引き下がったと記憶しています。
その日の夜、退勤後に派遣会社の営業さんから電話がありました。
「志野さん、今日会社で何があったんですか? どうしましたか?」
その営業さんはちゃんとした方で、私は以前から、その人の言動が理不尽すぎたときには報告して、相談に乗ってもらっていました。経緯を理解してくれていた人です。
我慢できなかったら言ってください、とも言ってくれていました。
ただ、他にも被害に遭っている方がいましたし、不快な思いをしていたのは私一人ではなかったので、「大丈夫です」と答えていました。
でも、契約更新はしない。
半年で別の職場に配属させてください。
それまでは我慢します。
そう伝えていました。
その営業さんから電話があったので、その日あった顛末をお話ししました。
すると営業さんによると、先方は「私の態度が非常に反抗的だった」「こんな反抗的な人とはもう一緒に働けない」とクレームを入れてきて、今月いっぱいで雇用を切ると言ってきたそうです。
うわぁ、やったー。
これでこの職場を辞められる。
正直、逆に嬉しかったのを覚えています。
契約満了まであと2か月を残して、私はその職場を離れることになりました。理由は「非常に生意気な態度をとったため」というようなものでした。
それまで証拠を残さずにやってきた人が、最後の最後に、こんなにもわかりやすい形で証拠を残したのが、少し可笑しかったです。
表向きには「プロジェクト終了のため雇用契約終了」ということになりました。
社会って、こういうところがありますよね。
本当の理由と、表向きの理由が違うことがある。
まあ、私としては、次にもっとまともな仕事に就ければ、理由なんてどうでもよかったのですが。
派遣会社の営業さんは、「志野さんが悪くないのはわかっています」と言って、すぐに次の仕事を探すと言ってくれました。さらに、「うちのスタッフを潰されたらたまらないので、もううちからはこの職場には派遣しません」とまで言ってくれました。
年度末の超繁忙期に人員をひとり減らしてしまったわけで、さすがにまずいと思ったのでしょう。先方からは、派遣会社を通して「今月末までは有給はなるべく使わず出勤してきてほしい」と言われました。
私はそのときは、「はい」と返事をしておきました。
でも、この話を別の派遣会社の営業さんにしたところ、
「そんな虫のいい話はないですよね。有給は権利なんだから、全部使っていいんですよ」
と言われました。
さらに、その営業さんからは、
「その状況なら、労働局に相談すれば勝てる案件ですよ」
とまで言われました。
ただ、その営業さんはこうも言いました。
「でも、闘うよりも、すぐに次の仕事を紹介できるなら、その方がいいんですよね?」
それを聞いて、たしかにそうだなと思いました。
そんなわけで、私は職場には「やっぱりいろいろあって疲れてしまったので、有給を使わせていただきます」と伝えました。
最後の半月はしっかり休んで、次の職場に向けて少しでも充電しておくことにしました。
年度末の繁忙期を、欠員が出た状態でどう乗り切ったのかは知りません。職場の罪のない同僚の方々には申し訳なかったですが、腹いせのように派遣社員の雇用を切っておいて「有給は使わないでほしい」は、さすがに虫がよすぎますよね。
『残念ながら明日も出勤です!』のヒロインは、いつも真正面から上司に立ち向かうタイプではありません。
普段は上司のイヤミを上手にかわし、言われたことを必要以上に引きずらず、定時になったらきっちり帰る。
職場の理不尽に飲み込まれすぎず、自分のペースを守って働いている感じがします。
きっと、仕事の実力があるからこそ、そういう割り切った態度を取ってきたのでしょう。
そんな彼女が、とうとう我慢の限界を迎え、パワハラ上司と決別するところから物語が動きはじめました。
現実の職場では、証拠がなかったり、立場が弱かったり、生活がかかっていたりして、簡単には声を上げられないこともあります。
それでも、理不尽に対して「それはおかしい」と考え、思い切って行動するとどうなるのか。
今後の展開が気になります。
というわけで、私は引き続き、ソ・イングクくんの素敵男子ぶりと、お仕事ドラマとしての展開を楽しみに見守りたいと思います。